満足度★★★★★
アイデアが良く構成が鮮やか
過去3度連載を打ち切られた女流マンガ家が、出版社の事情から「ストーリーキング」に輝いた女性を原作者に迎えて4度目の連載に背水の陣で取り組むことになり、滑り出しは好調だったが…という物語。
まずはマンガ界内も芝居で演じ、しかも同人誌版(←コレがメチャ可笑しい)までアリというアイデアで見せ、中盤はそのマンガ界に現実界の人物が取り込まれてみんなで助けに行くという展開で引き込み、しかしすべては引っ込み思案のマンガ家の夢想という大どんでん返しを経てハッピーエンドに導く構造が鮮やかで、
・ヤンスタの『マンガ大戦』かっっ!!!
・昨年春に流行った「夢あるいは精神世界の中系」かっっ!!!
・『ラ・マンチャの男』かっっ!!!
などとツッコミながら観るのもまた楽しからずや。(笑)
で、各論的には以下の部分に感心。
・オープニングタイトルの前にマンガ家が連載している作品内容を思いっきりベタな芝居で演じて「マンガ界内も演じて見せる」ことを示す(そういえば装置の一部はマンガのコマにも見える)
・原作者とマンガ家が主人公のキャラについて相談している時に、その主人公が後方に現れて各キャラを演じる
・終盤の殺陣で肝心の部分を番傘で隠し、傘を下ろすと…な見せ方をする
・本編のクライマックスで主人公が目覚める(あるいは自覚する)シーンにマンガ界内のクライマックスも重ねて見せる
・タイトルにも付いている「夢」というコトバの二種類の意味を併せて使う
ということで、前回公演から1ヶ月余という短期間での公演も個人的には気に入る。