夢見る乙女じゃいられない 公演情報 たすいち「夢見る乙女じゃいられない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    目崎ファンタジーの確かな歩み!
     若い作家&演出家の進歩を確認出来ることはとてもうれしい。前作の感想でも書いたが、目崎剛は作家としても演出家としても着実に階段を昇っている。昔の作品で感じた歯切れの悪い部分や未完成の部分がどんどん洗練されていっている。しかも短期間の間にだ。

     しかし、前作が去年の11月末、それから2ヶ月もたたずに新作とは、その創作意欲に恐れ入るし、それでこれだけの作品を作るのだから、それだけでも凄い。油がのってきているのではないだろうか。

     役者では売れないけど前向きな漫画家工藤優女を元気いっぱい演じた矢鋪あいが素敵だった。夢を食う妖怪獏を演じた紺野タイキと枕返しを演じた石下ゆかも独特の魅力があって引きつけられた。

    ネタバレBOX

     物語は売れない漫画の作者と、同人誌の漫画家が、いつのまにか漫画の中の登場人物となって、現実と漫画とが交錯しながら、それぞれの夢に向かって戦っていくというお話。これだけ書くとありきたりだが、現実と漫画世界の行き来が実に見事なのだ。

     前から思っていたが、この演出家、場面転換の処理がうまい。今回も登場人物が交錯しながらストップモーションや照明で、次から次へとシーンが切り替わっていく。その流れがそれだけで劇的なのだ。

     物語全体としては題材が漫画や夢であるために青くさい部分がたくさんある。しかし、私はそれを含めてとても好きだ。目崎ファンタジーの世界で次第に確立されていくのを観るのは楽しい。

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    2010/01/11 12:24

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