満足度★★★★
8,000円の元は十分に取れた
たとえばキョンジャがブラスバンド部ではないなどちょっとした設定の違いはありつつ、原作である映画と同じ羽原大介の脚本(&井筒和幸の総監修)なので、映画が大のお気に入りである身にとっても文句ナシ。
第1幕のクライマックスとなるアンソンの送別会での「リンジンガン」(映画では日本語詞だったようだがこちらは原語)はやはり泣けたし、その前に女優陣による朝鮮舞踊を入れた演出も○。
第2幕では、映画でカットを重ねて見せた通夜・日朝決戦大喧嘩・出産・ラジオ出演と4つの出来事が重なるクライマックスをどうするんだろう?と思っていたら、やはり舞台ならではの表現で見せてくれてこちらも◎。
また、浅見れいなが楊原京子の役どころにつき出番が少なかった代わりに真木よう子の役どころであるちすんの出番が多かったのでトントンってところ?
ほかにキャスト関連では渡辺哲や小市慢太郎、峯村リエなんてあたりがさすがな味を出しているほか、昭和芸能舎メンバーも的確なサポート。
「映画ではどうだったっけ?」な部分もある一方、カット割まで含めて鮮明に覚えているシーンもあり、そんな「記憶の虫干し」もできたし、S席8,000円というのはフトコロへの少なからぬ打撃ではあったものの「やっぱり6,500円のA席で十分だった」なんてことはなく、むしろ元は十分に取れた、的な。