満足度★★★★
エンクラオールスターを堪能!
高木健を中心に登場人物総勢23人、そのそれぞれが個性的で役者として魅力的なことに驚く。中でも高木健の上手さと存在感は学生演劇という枠を超えて、若手俳優の中で間違いなくトップランクである。
今回の芝居はその高木健を中心に添えた高木健ショーであり、またエンクラ忘年会オールスター顔見世興行でもある。
ストーリー自体には今回さほど意味はなく、23人のメンバーにそれぞれ見せ場を作るということに作演の江尻雅輝は重きを置いたのだろう。普通はこれだけの登場人物に見せ場を用意しようとなると破綻するものだが、それぞれの役者が個人技で客を惹きつける力量を持ち、それを高木健がきちんとまとめるので、物語としても破綻しない。シュールな青春群像として、思わず胸を打たれたりもした。
学生演劇の頂点の一角を占める早稲田大学演劇倶楽部、その底力を見せつけた公演だった。