曲がれ!スプーン 公演情報 ヨーロッパ企画「曲がれ!スプーン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    笑った! 笑った!
    ヨーロッパ企画にしか出せない空気感と世界観がある。
    完全に普通と地続きでありながら、それはないだろうという展開と設定になってもさほど違和感を感じさせない(というか、舞台に釘付けになり、そんな余裕を与えないというか)ところがウマイのだ。

    やるなー! ヨーロッパ企画!

    ヨーロッパ企画はやっぱり大好きだ。

    ネタバレBOX

    クリスマスの日にエスパーに助けられたというエピソードを持つマスターがやっている喫茶店、カフェ・ド・念力に、ここの常連たちのエスパーが集う。
    彼らは、日頃は周囲には秘密にしている、透視や瞬間移動、テレパシーなどの超能力を見せ合おうというのだ。
    5人の男たちは、それぞれの力を披露するのだが、遅れてやって来た6人目の痩せた男の様子が変だ。
    その6人目の男のスゴイ能力とは何なのか、そして、ある人の危機を察知し、そこから救うために、カフェ・ド・念力に集まった超能力者たち力を合わせることになるのだが・・・。
    そんなストーリー。

    とにかく、ゆるいというか、普通というか、ヨーロッパ企画らしい空気感が素晴らしい。
    この感じが好きなのだ。
    どうでもいいような伏線が楽しいし、あり得ないようなゆるい展開も楽しい。
    しかも、笑いがたたみ掛けるように襲って来る。

    どうやって見せるのだろうと思っていた、超能力の見せ方も、思わず笑ってしまうほど楽しいし、マスターの能力の開花や(TVでインドの・・って出た時点でややフライング気味に笑ってしまった)、マスターを助けたエスパーの正体などを、あえて指摘せず、さりげなく見せるあたりのセンスもさすがだ。

    1時間50分ずっと笑いっばなし、いや、ちょっと大げさだけど、結構笑ってしまう。

    とにかく、会話(台詞)がいい。確かにそんな風に突っ込むな、というような台詞が挟まれる。物語的には脇道にそれちゃうような会話って日常しているので、それが実に楽しいのだ。

    これを9年前の21歳ぐらいのときに書いていたという、上田さんの力にも驚く。

    肩の力が抜けているようにしか見えない役者たちの演技もあってこその、ヨーロッパ企画だと思う。
    劇団としての一体感もあるし。

    前回のドラゴンのやつは、ちょっとアレだったのだが、今回は思いっ切り笑えた。
    それは、前回は、そのバックボーンというか、世界観の背景までも観客のイメージの中にゆだねてしまったので、ちょっとアレだったのだが、今回はそんなこともなかったし、前回は、会話の普通さというかゆるさが究極すぎた感じだったのだが、今回はお芝居的に展開が楽しめたということもあるだろう。

    今回は、再演なので、新作となる次回が一体どういうことになるのかが、気になるところだ。そして、同時に非常に楽しみでもある。

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    2009/12/17 04:59

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