【王国】貶すべき。
高校生が書いたという事に飛び付いて観劇。正直、役者の芝居が酷い。特に大人組。覚えた台詞をしっかりとした発声で口に出しているだけで気持ちの根元が見えなかった。余計な事を考えず素直にやっていた年少組のほうがまだ観られた。が、この理由は後に分かった。それはネタバレBOXにて。
台詞内で話題が移行する際と場面転換の前後が妙に力技というか雑。人物の行動理念が曖昧で、段取りに見えた箇所が多々。作者が戯曲内の人物達を自分にとって都合の良い行動で動かしながら書いたからだろう。これは各人物の内面をしっかりさせれば演出の仕事でも辻褄が合わせられたはず。
大層な本ではある。が、穴も多い。経験値よりも知識で書かれた印象は拭えない。とはいえ作者のかなりの頭の良さと才覚は感じた。自分が高校生の頃にこれを書けた気はしない。もっと思いっきりやると良い。穴をなくすのを目指すよりも、穴を突っつくのがバカらしく思えるくらい濃いものを書いたほうが良い。今日は出来に不満があったから拍手をしませんでした。彼が活動を続けるのであれば、いつかさせてみせて欲しい。今は未熟。まだまだこれから。