実演鑑賞
満足度★★★★★
沖縄語(八重山方言)を使った舞台で、これについては前方席で観られたのは(恐らく)良かった。(聴いて判らない単語が方言なのか、聞き取れなかった別の単語なのか、の違いが判別できるだけでも随分違う。)
敗戦直後から朝鮮戦争あたりまでを切り取った、石垣島の料理屋を舞台にした芝居。思い起こせば我が青年劇場初観劇の演目も斎藤憐の新作であったが、本作は(演出の力も大きそうだが)改めてこの劇作家の筆力を再認識する機会となった。
様々な「語られるべき」要素が人物の来歴とエピソードに織り込まれ、半紙を一枚一枚折り重ねて固めて柱が顕れるような具合に確かな世界が生まれていた。
演出面で幾つか目を瞠る箇所があり、この戯曲を現代の自分たちの目の前に差し出す事に成功している。
楽日前、土曜夜という事もあって(この劇団の観客的に)客席は淋しかったが役者諸氏の力は漲っていた。