いらない里 公演情報 ホチキス「いらない里」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今回は退屈しませんでした
    いくつもの段差を設けた立体的な舞台美術が素晴らしく、
    人の出入りや場面転換を効率的に行っていた。
    円形のスクリーンも巧く使っていた。
    登場人物が生き生きとしていて、全員が揃って歌うシーンもエンターテインメントらしくてよい。
    作・演出家が自信をつけて余裕が出てきたのがはっきりと見て取れる作品だったと思います。
    個人的には小劇場系の芝居は1時間40分くらいまでにまとめるのも腕前の内だと思っているので、現時点ではもう少し刈り込めたかなという気はしますが。
    観終わって思ったのだけど、あのフライヤーの思わせぶりな図柄は何だったんだろう?(笑)


    ネタバレBOX

    UFOの話が出てくる劇はあまり好きではないのですが
    コストカッターとの取り合わせに意外性があって面白かった。
    冒頭の村上と小玉の立場が逆転した妄想シーン、
    こういう滑り出しは昔、博品館劇場の芝居などによく使われた手法で
    センスを感じる。
    幕開き、円形スクリーンは天文台のイメージなのかなと思って眺めていたが、あらゆる場面で有効に使われていた。今回は音楽もとてもよかった。
    小玉久仁子の桂は、まるでサイボーグのように動きやしゃべりかたが非人間的で悪役キャラと思いきや、後半、結構人情味も発揮するのが面白い。
    村上直子は主役として大きな華には欠けるが、演技は明快。
    そのほかの女優陣も美人ぞろい。
    玉置玲央は「悪趣味」のときのOLと同じ人には思えないほど、スリムな印象。
    本作でも運動神経のよさを活かし、個性的な演技を見せる。
    加藤の館長の息子、橋本の天文台館長、山崎の副館長は安定した芝居。
    本筋と並行して抜殻殺人事件の捜査が行われるが、話の展開上必然的に挟まれた場面なので会話が少々平板になったのが気になる。
    もう少し、役者にしどころを与えてほしかった。
    ちなみにこの抜殻のカラクリは、以前何かのSF小説でこれと同じ話を読んだことがあったので、すぐにそれとわかった。設定は偶然だとは思うが。



    0

    2009/11/11 00:38

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大