期待度♪♪♪♪
お能を観たことない人にオススメ
私が辰巳満次郎の能を初めて観たのは10年くらい前のこと。
ふらりと出かけた宝生能楽堂の短い夜能だった。
「通小町」の偏愛青年・深草少将を演じたが、以来、彼を超える
深草少将に出会っていない。
満次郎の「能」は古典を普通に演じてもとにかく現代的で、観る者の心にスーッと入っていく。衝撃的だった。
しかし、彼が属する宝生流の公演は能が四番もある長時間の「五雲会」が中心なので、ずっと足が遠のいていた。
今回は、個人リサイタルのようなものだ。
願ってもない機会である。
「邯鄲」はアクロバティックな動きの能でサイトの写真を見てもらえばわかるが、すごいジャンプを見せる。激しく動くので退屈しない。
今回、古語がわからなくても、「音楽と舞踏の夕べ」として楽しめばよい。
外国人に、歌舞伎より能のほうが人気があるのもそういった理由から。
今回は蝋燭を照明とするが、大名屋敷の座敷のほの暗さに近いと思うので
ちょっと豪華な気分が味わえそうだ。
能は一期一会で一日限りしか上演しないけれど、敷居が高いと敬遠している若いかたにもお勧めしたい。