満足度★★★★★
演劇はひとを幸せにするか。
今回このお芝居をはじめて日本で上演するにあたり、セルビアの歴史的背景、心情、文化を理解し、受け入れることからはじめられたことに、深い尊敬を抱きました。
一滴の血のしたたるにおいまで漂ってくるかのような繊細な演出、色味のない淡々とした舞台の中で繰りひろげられる演技は、配役の枠組みを超えて、とても生き生きと輝いていました。そして、観るひとを選ばずにすべてのひとに楽しんでもらおうとする姿勢が素晴らしく、それは本来の演劇のあるべき姿なのではないか、と痛感致しました。深い共感と感動を与えてくださったこと、この作品を観る機会に恵まれたことに心から感謝いたします。