満足度★★★★
インテリな新感線
やや、インテリな新感線であった。
軽い調子やお下劣なドロ臭さは(お色気というべきか)
非常に控えめ。
これは、上川・堺の生真面目さと知的さが
脇に控える新感線メンバーの色より強いせいであろう。
それは、漫画チックさと単純さが強いストーリーの中では
やや違和感がある。
そう、少年漫画のヒーローのような颯爽さに
欠けるからであろう。
舞台装置、照明は、スーパー歌舞伎に
匹敵するほどの派手さ。
いのうえ歌舞伎も、すっかり演舞場に定着した感である。
ダイナミックな舞台転換や、
わかりやすい場面構成は、ザッツエンターテイメントである。
上川は、スターらしい華やかさはあるが
全体に芝居にメリハリがなく一本調子。
遊び心がなく、誠実そのもの。
それは、この芝居にはデメリット。
シリアスなストリートプレイのほうが
合うのではと思わずにいられない。
少し披露した歌声が、なかなかで
ジャンバルジャンを演じればいいのになって思う。
太一君は、とても軽やか。トゥーランドットより
ずっといい。
殺陣のシーンなんかは、ワクワクする。
源義経なんか、良さそう。
(あ、これはタッキーの持ち役か)
惜しいのは表情が全くないところ。
喜怒哀楽が、もっと伝われば、
話を膨らますだろう。
稲森いずみは、とっても顔が小さく可愛い。
出番が少ないせいもあって印象は薄いけど、
きっちり役柄を演じていた感であるって程度。
でもチケット代金¥12500に見合う作品だった。
3時間30分、退屈せず、作品の世界に入れました。