満足度★★★
シュール。
キテレツゥ版「人間失格」。シュールで不条理な世界が小さな空間で繰り広げられ、この手のじわじわ来る空気感が好きな人にはたまらないんだろうなぁ、と思いました。
しかし寒々としたシュールな笑いが持続するには刺激不足で、例えば平手打ちや、お腹をドツくシーンは本気でやっちゃって良かったような気がします。ロックミュージシャンがお婆さんをボコる不謹慎さはあるのに、本気で殴るくらいのキレ感がないと、なんだかアンバランスな感じがして全体的にお話の印象がボケてしまう。もっと抉るようなキレがないと、1時間半の上演時間は長くて辛い。
しかし5人の役者さんのバランス感はとてもよく、特に峯尾くんのシュールなはじけっぷりには目を引かれました。駅から遠い劇場でしたが、その道のりを経て峯尾くんの演技を観た価値は大アリでした。