六月燈の三姉妹 公演情報 パディハウス「六月燈の三姉妹」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    誠実で仲のよい関係なら○
    鹿児島で家族経営している和菓子店「つるの屋」が舞台。
    父母は離婚、しているが同じ家で暮らす。長女と三女は出もどり、次女・ナミは離婚調停中という家族が結婚という形にとらわれない新たな愛の形を見出していくお話です。

    以下はネタばれBOXにて。。



    ネタバレBOX


    鹿児島へ帰ってしまったナミを追ってナミの実家「つるの屋」に訪れた夫・平川のシーンから舞台は始まる。
    不器用で優しくて誠実だけが取り柄の妻と歳が離れた夫は、ナミとよりを戻したいがために、説得に来たのだが、上手く言い出せない。とにかく不器用な仕草というか、癖というか、行動がすんごく面白い。
    ナミはナミでそんな夫と離婚する原因は、表向きには姑との折り合いにあったが、実のところはナミに好きな男が出来たのだった。

    「つるの屋」の母の元夫との間にできた子供が長女と次女、現在離婚しているが同居中の夫との間に出来た子が三女という家族構成だが、離婚しているけれども父母は案外仲良く「つるの屋」を回してる。
    他人だけれど家族を営んでる、という感じの家族。

    三女の不倫問題や、ナミの離婚の危機に家族がそれぞれの持ち味で力になるという家族以上の家族の信頼関係や絆が伺える。

    一方で平川は妻のナミに一緒に東京に帰ってくれと、最後の説得をしながら、実母には一人で住んでもらうようにするから、との条件を約束する。その言葉を聞いたナミは「お義母さんの問題だけじゃないの。私、出版社の人を好きになってしまったの、キスもしたの。」と告白してしまう。
    それを聞いた平川は、落胆するも「それならそれでいい。だけれど戻ってきて欲しい。僕はナミじゃなきゃ駄目なんだ!」と悲痛にも哀願する。

    それを聞いたナミの心はぶれて元の鞘に納まりそうな余韻を残しながら舞台は収束してしまうが、コメディ満載の人情喜劇で、ちょっぴりホロリとさせられる場面もあり、素晴らしい舞台でした。

    形だけの家族でも家族といえない家族はいっぱいあるから、これから先の世界はもっともっと色んな形の家族があってもいいと思う。どんな形でも誠実な関係ならいいよね。(^^)


    0

    2009/08/11 17:17

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大