この夜の終わりの美しい窓 公演情報 世の中と演劇するオフィスプロジェクトM「この夜の終わりの美しい窓」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    プチミュージカル
    秘密の花園(フランシス・ホジソン・バーネット)をすこし題材にしたのだろうか?庭師といい、母に愛されたことの無い情景がそんなふうに感じた。

    タイニイアリスという劇場は声が篭るのだろうか?
    折角のミュージカルなのに聞き取れない声があったことと、声が音楽に負けてたことが残念。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    小劇場の舞台で、ミュージカルをすると決まった時点で、きっと劇団はマイクなしでもOKと考えたのかと思う。
    確かに小劇場ではマイクを使うと煩すぎるし、微妙なところだよね。
    そこいくと吉祥寺シアターで公演を打つミュージカルはマイクを使ってるから、あのくらいのスペースならマイクOKということだろう。

    今回のミュージカルはキャストによっては歌の下手さ加減も全面的に露出しちゃったのだから、聞いてる観客はあれ?あれ?あれれ??状態なわけだ!笑
    そんでもって間の開きが妙に気になって仕方が無かった。
    あの間はなんだろうか?その時だけ音楽の導入も無いから、シーーン・・、セリフとセリフの合間のシーン・・!シーンが長すぎる。オルゴール的な音楽導入があっても良かった。

    物語はかつて女優だった母親が結婚を機に女優を引退し、家庭に入ったが、父親はそんな妻の気持ちを常に疑い、本当に自分を愛しているのかどうか試していた。
    子供たちはそんな父親がある日、居なくなってしまったので、自分たちやママを捨てて家出した無責任な父親と憎んでいた。
    だからママは自分が主演した映画の中に自分で自分を閉じ込めてしまって現実を見ようとしないのだと。
    子供たちは幼い頃から母親に愛された事が無かったから愛情に飢えていた。特に長女は何とかしてママを自分に振り向かせようと画策する。母の愛情と母のまなざしが欲しかったのだ。
    しかし、ママの本心は、「私は子供なんか要らなかった。女優に戻りたい。そうして、あの嵐のような拍手喝さいをもう一度手に入れたい。私から拍手喝さいを奪ったのはお前だ。」と現在女優の長女に毒づく。、

    愛情に飢えた子供たち、子供に対しての愛情が稀薄な母親、自分を家庭に閉じ込めたと誤解して夫を殺し庭に埋めた妻(母親)、それらの闇の全ては母親が幼稚で大人になれない精神が原因だった。彼女は自分しか愛せないのだった。

    そんな不条理劇をミュージカル仕立てにしたのだから、観客が満足するかどうかはキャストの声量いかんに関わってくるのだと感じる。
    衣装も照明も美しく、役者が絵画の中から飛び出す仕掛けはまるで「不思議な国のアリス」を見ているようなおとぎ話だ。
    キャンバスの奥に振る赤い花びらもハラハラと美しい光景だった。

    だからこそ、音に負けて歌が聞こえない舞台をひじょうに残念に思う。


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    2009/08/08 12:39

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