ラーメンすすって、泣いちゃって! 公演情報 悲願華「ラーメンすすって、泣いちゃって!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 観劇後、ラーメンが食べたくなったか?
    ラーメン屋が舞台だったのだが、残念ながら、そうはならなかった。空腹だったのに。
    だって美味しそうに見えなかったんだもの。

    「悲しくも楽しい物語」という説明から人情喜劇と思っていたのだが、意外と喜劇の要素が少なかったし、悲しくは全然ならなかった。もちろん多少は笑えるところもあるのだが、熱演が結果に結びつかないという印象。

    学生とは言え、「大阪からやってきた」ということだけで、こちらの期待値(特に会話のテンポ良さや笑いの期待値)を上げてしまったようだ。

    ネタバレBOX

    ラストはまるで人情モノのように収束していくのだから、そこまでの道程は、やはり笑わせてほしかった。笑わせようとしている要素はいくつか散りばめてあったのだが、残念ながら笑えなかった。

    例えば、高校生のことを調べる=探偵=黒スーツにサングラス=探偵物語のテーマ音楽という発想と見せ方が安易すぎてつまらない。一見、安易な方法を使うのはまったく構わないと思うのだが、使うのならば、あえてベタにしました、と開き直るぐらいに、全体的にもっとどんな卑怯な手を使ってもいいから笑わせて、あるいは楽しませてほしかった。

    そして、ラストにいくつかのストーリーが、もっとキュッと締まる感じ(すべてが別々にあるエピソードにしか見えなかったので)もほしかった。
    例えば、ラーメンが不味くなったのだが、それが美味しくなることの要素とすべての話が解決する要素が混ざり合うようなことがあれば、きっと面白くなったのではないだろうか。

    師匠役の人がかなりいい味を持っていたと思うのだが、それをうまく活かせてなかったように見えた。
    物語を半ば強引に引っ張る、人助けが生き甲斐の女性も、どう考えても何かを抱えているようで、彼女にも「救い」が必要なはずにもかかわらず、ラストにそれが解決されないのが不思議。この人はがんばりすぎで、空回りに見えてしまったし。がんばりすぎで空回りなのが演出で、つまりその根底にある心の悩みが解決されるのかと思ったのだ。

    ラーメン食べるのが重要な要素なのだが、そのラーメンのうまさがイマイチ伝わってこない。ラーメンを食べているシーンでは、単に食べているだけにしか見えず、中途半端な間が空いてしまうだけにしか見えなかった。そのシーンが多すぎて、どうも間が悪い。
    そして、やっぱりラーメン屋の話だから、たとえお腹が減っていなくても、帰りにラーメン食べたくなるようにさせないと、ダメなのではないだろうか。

    あえて、上から目線で言わせてもらうと、全体的には「伸びしろ」みたいなものは感じた。脚本と演出次第ではかなり面白くなるのだろうと思う、と言うか、思いたい。

    0

    2009/08/02 16:47

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大