ひみつのアッコちゃん 公演情報 劇団ガソリーナ「ひみつのアッコちゃん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    さよなら江古田ストアハウス
    じんのひろあきの作・演出なら大ハズレはないだろうということで観劇。去年亡くなった赤塚不二夫の漫画がタイトルになっているが、漫画のストーリーをそのまま役者が実演したものではない。

    ネタバレBOX

    じんの作品で漫画をモチーフにしたものといえば、「デビルマン」のほかに「ドラえもん」も見たことがある。いずれの場合も漫画の主人公は芝居には登場しなかった。
    今回は「ひみつのアッコちゃん」が映画化されることになり、その主役を選ぶオーディションの最終審査のようすを描いている。選ぶ側は5人。女流監督や脚本家やプロデューサー。一方、審査を受けるのは、これが候補に残った5人の子供ではなく、彼らの親だというところがミソ。たしかに親の話を聞けば自然と子供のようすもわかってくるが、逆に子供が相手だとなかなかそうはいかない。子供が自分の親のことまで充分に語るのはかえって不自然だし、だいいち演技のできる子役を5人も集めるのは、それこそアッコちゃんのオーディション以上に大変かもしれない。
    ということで、母、母、父、母、両親という順番で、5組の親が登場する。審査員5人は机を横一列に並べてすわり、その向側の椅子に親がすわるという面接形式。ただし、それぞれの表情が観客に見えるように、審査員の机と親の椅子は場面ごとに角度をずらしてある。
    全体的には動きが少ない芝居で、そのままラジオドラマとしても使えそうな脚本だった。そのせいもあり、4番目に登場する母親の、ミュージカル「アニー」への熱い思いと熱唱がよりいっそうインパクトを増した。
    5組の面接が終わったあと、残った審査員の間でさらに一悶着。原因はもっぱら最終決断を下せない監督にあるのだが、その優柔不断さに対して、どちらかというと共感よりも苛立ちを覚えてしまった。個人的には、オーディションの場面だけで充分で、最後の審査場面はちょっとクドいと感じた。

    考えてみれば、ミュージカルとオーディションは関係が深い。「コーラスライン」はオーディションそのものだったし、現在上演中の「スペリング・ビー」も子供のコンテストを描いている。劇中の「ひみつのアッコちゃん」は映画だけれど、これも最終的にはミュージカルになるだろうと私は推察する。

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    2009/07/19 09:07

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