満足度★★★★★
テクマクマヤコン…あのマンガの舞台化は変化球。前向きな親子関係を描く。さよなら、江古田ストアハウス。
【面白かった!】
あの「ひみつのアッコちゃん」の舞台化!?
「ひみつのアッコちゃん」の実写映画化という設定で、
主役のアッコちゃんのオーディションの話。
てっきり佐藤寛子さんがアッコ役で主演して、
その映画撮影でのドタバタを描くのか…と思いましたが、
実際は、佐藤寛子さんは海外で評価を得た、新進女流映画監督役。
全国12万人のオーディションから選ばれ最終選考に残った5人の女の子。
舞台は、その親の最終面談オーディションを描く。
友達のような母親、
クォータで美形子役の母親、
離婚した父親、
子供時代のアニーの夢を子供に託す母親(このパートが圧倒的)、
全校生徒から推薦された不思議な子の両親…。
5人の親の面接を通して、
映画製作体制の舞台裏もからめながら、
さまざまな親子の関係、いじめ、夢、離婚などが浮き彫りにされる。
さて、アッコ役は誰に?
今の小学生がコンパクトで変身したいのは何なのか?
すべての親子関係が良好でいい意味でなかなか決められない
とか、映画アッコちゃんのストーリーもとってもヒューマン
だとか、すべて前向きな内容であるのが非常に好感が持てます。
【こういう舞台、好きです。】
役者さんでは、主演の佐藤寛子さんが、新進女流映画監督役、
これまでと違うイメージに挑戦。
他にはやはり「アニー」のトゥモローで一気に客席全員を
さらっていった、窪田あつこさんが強烈!さすがです。
その圧倒的な迫力に、泣きそうになりました。
あと、不思議(はてな)ちゃんの母親役の鴻上久美子さん。
やはり少し不思議な演技と、独特の声が印象的で気になりました。
満足度★★★★★
さすがじんのひろあき
マンガをそのまま舞台化するのではなく、アレを映像化するためのアッコちゃん役のオーディションを描くというスタイル。その意味では「カンバンにイツワリ」気味かも?(笑) しかも子役ではなく、その親5組との面談でこれが最終審査になるという設定。
「主題(2組)と変奏(3組)」のような形で見せる面談によって5組の親子像がクッキリ浮き上がる前半から、決断を迫られた時に監督と脚本家が初めて明かす映画の構想(その映画を実際に観てみたいというか、シノプシスを聞いただけで観たような気になったというか…)で「現代の友だち関係」に警鐘を鳴らし、最終決断に至る部分では映画制作現場の厳しさや全体の責任者である監督の責任・重圧まで描き、最後の監督の独白(落選者への結果通知草稿:これがまたイイんだ)で画竜点睛を打つ感じ? さすがじんのひろあき、見事です。
出演者では窪田あつこが相変わらず(笑)飛び道具っぷり(爆)を発揮して印象深い。ただし、卓越した歌唱力・表現力に裏付けられたものなんだよね。
また、佐藤寛子もインディーズで映画賞を総ナメという実績をもとに初の商業映画のメガホンをとることになった新鋭女流監督の戸惑い…ちょっと違うな、商業映画の厳しさにふれてまた一段ステップアップするその瞬間といおうか、そんなところを表現して◎。うん、イイ舞台女優になってきているぞ。
さらに5組の面談で、最初は面接官5人が客席に正対して、その手前に受験者が客席向きに座るという基本配置にしておき、その後の2組目と4組目は面接官が下手側で受験者が上手側に、3組目と5組目はその逆に、約45度の角度で舞台中央に向かって座る配置にして単調になることを回避したことにも感心。
満足度★★★
さよなら江古田ストアハウス
じんのひろあきの作・演出なら大ハズレはないだろうということで観劇。去年亡くなった赤塚不二夫の漫画がタイトルになっているが、漫画のストーリーをそのまま役者が実演したものではない。
満足度★★★★
真摯な人ばかり
街の片隅にある小さな情景を積み重ね、やがて街そのものを描くという気宇壮大な構想を掲げていた、ここ数年のメトロポリス・プロジェクト。これには佳作もあったのだが、全話を鑑賞できるのは演出家だけだろうという疑問も残った。
しかし今回は違う。1話で完結(継続しようにも劇場自体が閉館するが)、後腐れなし。『デビルマン 不動を待ちながら』以来の満足を感じた。
世代を越えて話題をさらっている映画『ひみつのアッコちゃん』の主人公を決めるオーディション、最終面接に残ったのは5人の少女。これはその中からたったひとりを選ぶ過程を見せる作品だった。
ちょっと凄い。
長めに120分なのだけど、物語を隙間無く組み立てるじんの節が全開。役者もきちんと。
アタシにとって最後のストアハウスなので、写真撮ったりするのも楽しい。