半蔵~HANZOH 公演情報 劇団 武士道「半蔵~HANZOH」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    もっとドラマとしての魅力と深みを
    THEちょんまげ軍団SUPERなど時代劇中心に活動してきた幸村宏行が主宰する劇団「武士道」の旗揚げ公演。忍びの者服部半蔵をめぐる愛と死闘の物語。先に麻布十番のライブハウスで上演したダイジェストパフォーマンスの際よりはパワーアップし、総勢約30人がスピード感あふれる殺陣を披露する。
    初日マチネーはほぼ満席の盛況だった。ただ、ほとんどが劇団関係者の知り合いで埋められた様子で、若者が客層の中心である小劇場演劇の世界において今後どれだけ新しい観客層を開拓していけるかが大きな課題となるだろう。用意されたアンケートの設問も「時代劇が好き」という前提で書かれているため、このような公演を初めて観に来た客は戸惑ったかもしれない。THEちょんまげ軍団系の芝居とほぼ似たようなストーリーで既視感があり、新味には乏しい。

    ネタバレBOX

    こういったアクション時代劇畑では既に「いのうえ歌舞伎」と呼ばれる劇団新感線のような優れた劇団が存在し、現代的な演出とスピード感のある殺陣、奇抜で華麗なストーリーで観客をつかんでいる。それに比べれば、平板な筋書きで、「実と思えば嘘、嘘と思えば実」の忍びの観念論を繰り返すだけでドラマとしての深みや面白みに欠ける。主役が終盤前に死んでしまい、山場が弱いなど、脚本には疑問が残る。何より、主役の幸村に華が感じられず、かっこよさには乏しく、3人の女性に慕われるという説得力を感じない。時代劇として酔えないのでは致命的だ。殺陣教室も開いているというが、姿勢が猫背で美しくないのも時代劇の俳優として改めてほしい。
    イケメンブームの現代、時代劇の劇団として固定ファンをつかむには、カリスマ性のある美形の俳優が主役でないと厳しいと言わざるをえない。
    BGMの音が大きすぎて肝心のせりふが聞き取れなかったのも不満だった。また、男性の衣裳は戦国風なのに、女優の和服が慶長風や昭和風などバラバラで、衣裳考証はもう少しきちんとやってほしい。男性の髪型も自毛でやるにしても統一感がなく、こういう細かいところが雑では、時代劇としてがっかりしてしまう。

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    2009/07/12 06:50

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