満足度★★★★★
「神隠し」をベースに「人隠し」のコワさも
息子が神隠しに遭ったのは幼い頃に神隠しに遭うも5年後に戻ることができた自分のせいではないかと考えた女性が、息子の身代わりになろうと幼少時住んでいた山奥の村に帰り…というところから始まる物語。
民間伝承、民俗信仰、土着宗教的な「神隠し」をベースにしながら神隠しならぬ「人隠し」(戦争、犯罪、失踪などによる人為的な人間消失)のコワさにも触れ、「胡蝶の夢」(ありゃま、またカブり:でもこのネタ、大好きなのでむしろ歓迎!)的要素まで絡ませ、子を喪った(←「亡くした」とは限らない)親の哀しみをもクローズアップして描いて見事。