イヌ物語 公演情報 劇団サーカス劇場「イヌ物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    どこか壊れてる!
    前作「カラス」を観たときにひじょうに感激した舞台だったから、今回もひじょうに楽しみにしていた。

    ブチ役の赤澤ムックは流石!と唸らせる力量。
    そんなだから始発から飛ばしまくり!(^0^)
    物語に直に引き込まれてあれよあれよといううちに終わる。という不思議感の漂う舞台。中島みゆきの導入音楽もこの情景にマッチして素敵だったし、セットも狭い空間を上手く使ってたと思う。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    ムックはマンションの一角のゴミ箱で鍵を探す為にアサル。
    そこに住人がやってきて一悶着あるがムックは止めようとしない。ゴミをアサル、アサル、アサル!
    ムックは人間の女性なのだけれど、犬養という女性に飼われている。犬養はムックを犬と思い込んでいる。この時点でどちらが狂人なのかは謎。

    そのうち住民の世話を焼くロックのおじさん、エアー犬を飼ってる女子中学生などがこの物語を装飾する。
    青竹先生を演じるワダ・タワーの存在感は意表をつかれるほどでそのセリフも笑えるし、青竹先生の宗教勧誘の例え話もウケル。ファザーA(宇宙人)の存在にはほくそ笑んでニヤリとし、青竹先生についている宗教活動家の品川(広瀬友美)とのタッグはもうお見事!(^0^)
    この品川が犬養に猫にさせられて家畜として飼われそうになる場面も楽しい仕掛けで、そのうち病んでるのは犬養だと気づく。

    一方、鍵を探すブチはその鍵が何の鍵だったかが思い出せない。犬養に飼われて生ぬるい生活をしているうちに毎日一つずつ忘れていってしまう。この生活から脱出するには鍵を探さなければならないと一人ごちりながら狂ったように探す。

    評論家の西田は他人が目の端っこでちょろちょろしているのが嫌い。と銃で犬を殺す妄想を抱く。勝海舟は犬にイチモツを食いちぎられた。などと独り言を言いながら・・。

    要するにここに集まってくる住人はどこか壊れていてマトモじゃない。(^^;)
    ブチを主軸にしたどこかしら壊れてる人たちの物語。

    たぶん、死んだであろうロックのおじさんが
    「オーケー、出かけるぜベイビー!!」と郷愁を呼ぶセリフに意味があり、そしてブチが沢山の鍵を与えられてもなお、鍵を探す習性は犬様で新しい鍵を見つけて喜ぶさまにこの物語の悲しさが潜む。

    観た直後よりも数日経ってからじんわりと感じることができる舞台。
    最後はやっぱりブチは居た。という結末!(^0^)


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    2009/06/28 12:07

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