ハルメリ 公演情報 西村和宏(青年団演出部)+ウォーリー木下(sunday)企画「ハルメリ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    それほどではなかった。
    一体ハルメリとは何だ?てことなんだけれど、競争をやめてお互い優しくしあおう!みたいな思想の下、ハルメリクラブのカードを持った老若男女をハルメリという。

    まあ、第13回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した『ハルメリ』なんだから、見る人が見れば素晴らしい!って事なんだろうけれど、絶叫系は元々嫌いだし、好みではなかった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    宗教的な思想を掲げ、洗脳されていくハルメリ。
    ハルメリをマスコミが取り上げたことで日本中の視点がハルメリに集中する。雑誌、ラジオ、TV・・。そんな状況の中、ハルメリミューズを選ぶ企画をTVが取り上げる。
    このTVの放映部分がひじょうに面白い。舞台の箱の中でTVカメラが移動しているシーンを役者が動きながらリアルに再現する。
    プっ!!(^0^)
    ここ、笑えるシーン・・。
    セットも側面を立体的に演出するなど、面白い。

    一方、そんなハルメリ効果をこれぞとばかりにしたたかに便乗してスポットを浴びるスーパー店長の妻。「自分はハルメリ大好きです!」なんて宣言したかと思うと、時と場合によって風見鶏のように振るまい、自分の立ち居地を確保していく。まるで昨今の政治家のように。

    ハルメリにのめり込む輩の共通しているものは、疲れだ。
    競争する事の疲れ。そして振り落とされる事への疲れ。
    ハルメリの本質は自己否定することらしいが、世の中がハルメリで盛り上がれば盛り上がる程、雑誌で民衆をあおった側の記者・のし子は理性的な考えが働き、世評を増長させてしまった自分を後悔する。

    ハルメリ会員は暴走し、そこに乗っかる利害者も暴走し、コメンティーターとなった妻は家庭を顧みずTVに出まくる。

    本当の正義が悪で世の中の多数決が正義と化す社会を風刺した作品。
    演出は素晴らしい。しかし物語の見せ方、描き方に優しさが感じられないところが好みではなかった物語。

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    2009/06/25 18:32

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