満足度★★★★★
完成度はかなり高い
タイトルは某人気海外ドラマのもじりだが、決してパロディ系のコメディではなく、かなりシッカリしたサスペンスものかつ人間ドラマ。
しかも某有名テーマパークのトリビアもふんだんにまぶしてあり、その完成度はかなり高い。
「夢を与えること」「夢を信じること」を通奏低音のように流しつつ、深夜に起きた爆破事件の真相にジワジワと迫り、思いもよらないドンデン返しを経てちょっぴり泣かせた後に微笑ましく締める構成が巧いし、本筋の流れを邪魔せず、高まった緊張感をフッと和らげるユーモラスな部分の配し方も絶妙。
また、荒天による繰り上げ閉園を詫びるスタッフ…じゃなくてキャストとか、真剣に客に夢を与えようと努力するキャストの心を踏みにじる経営陣への警鐘など、テーマパークのキャストの姿勢がクローズアップされており、考えてみると客に夢を与えて喜んでもらうキャストは、そのまま芝居を創り上げて観客に喜んでもらうという現実の彼らの姿に通ずるワケで、芝居に対するキモチが如実に顕れているバックステージもののバリエーションとも言えるところにツボを突かれる。
さらに、観客をテーマパークの入場者に見立てての前説アナウンスもセンスがイイし(そもそもこのアナウンスで「ヤるな」と期待値がアップして、本編はその期待を裏切らない…どころかはるかに上回っていたってくらいで)、5人のダンサーを時には場転に、時にはテーマパークのダンサーに、さらにクライマックスで重要なアイテム(?)にも使うというアイデアもイイし、ミツキ(美月?三月?)の殴られたメイクとか(現実の)受付スタッフが「CAST」と入ったバッジを付けているとかの小ワザも利いているし、モロモロで満足度高し。