一月三日、木村家の人々 公演情報 青年団リンク 二騎の会「一月三日、木村家の人々」の観てきた!クチコミとコメント

  • 追いつめられることと癒されること
    靴を脱いでお芝居をみるだけで
    舞台のできごとが一層身近なものに感じられて・・・。

    このテーマをシリアスだけの物語にせず
    コメディのテイストを織り込んだところに
    作者と演出家の見識を感じました。

    ネタバレBOX

    一つの家族や親戚というくくりのなかでも
    父親のケアに対する温度差がこんなにある・・・。

    コメディの要素を編みこんだことで
    カオスのようになった長女や長男の想いが
    ほどかれて見えるようになっていたと思います。

    観客から見た家族の存在場所がおもしろいのですよ・・・。
    登場する時に会釈などをして
    その場に観客を惹きこむような手法が
    シリアスな状態に家族が追い込まれたシーンでの
    観客の視座を微妙に変えたりもして・・・。

    離婚した彼らの母の設定に
    なんともいえないペーソスがあるし
    (手紙の内容を誰かが朗読したりしないところもすごくよい)
    餅を焼いているときにふすまの向こうで
    父親が観ているのではという部分にも
    ちょっとほろっとしながら笑いました。

    家族で今後の介護をどうしようかと行き詰っているときの
    元介護職員(現ホスト)の第三者的な冷静な判断も
    介護者を抱えた家族が見えているものを
    端的に表していて・・・。

    自由度がある程度ある作品なので、パンフレットに書かれていたように
    いろんな時代に染まって再演されるとおもしろいかもしれませんね。
    たぶん、どんな時代になっても、終りが家族の死だという介護の現実は
    変わらないのだろうし、その意味で家族のそれぞれの立場での思いは
    普遍的なものなのでしょうから。


    0

    2009/05/31 23:03

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大