ミセス・クライン Mrs KLEIN 公演情報 風姿花伝プロデュース「ミセス・クライン Mrs KLEIN」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ネタバレ

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    『ミセス・クライン』を観劇。

    ユダヤ人で実在した著名な精神分析家のメラニー・クラインの物語である。
    自殺で息子を失ったメラニー夫人は悲しみに打ち拉がれているようだが、娘のメリッタ(精神分析医)から見るとそのようには思えない。それは娘と息子を常に幼少期からコントロールし、研究対象にしていたぐらいだからだ。そこに同じユダヤ人の精神分析家・ポーラが介入してきて、メラニークラインと娘のメリッタ、そしてポーラとの精神分析の対立が始まるのである。

    精神分析家が己の悲しみをどのような論理で解決していくのか?
    が物語の流れになっていて、その葛藤が互いに火花を散らしていく様が見所である。
    息子の自殺は自分が原因ではないと認めようとしない母親、
    幼少期から精神的に束縛られてきた母親への憎しみを持つ娘、
    肉親の憎しみ合いを第三者の視点でみるポーラ、
    曰く我々観客が親子の愛憎劇を客観的に目撃するのである。
    彼の解決方法は常に言葉であり、空気やその場の雰囲気でない。
    ナチスの恐怖がユダヤ人に迫ろうが、我々の問題は我々で解決する。
    彼らの論理は「外の世界を待たせておく」のである。

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    2020/12/06 21:56

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