満足度★★★★
KAATホールで観る3度目の芝居。SPAC「マハーバーラタ」、地点「光のない。」(いずれも2014年秋)の変則、異形のステージに比してオーソドックスな形で、しかも前方席のためホールの奥行を感じる事なく「大スタジオより少し広い」空間で芝居が進む感じ。ただしホールの規模を感じさせるのが、バトンに吊られた(美術:堀尾幸男による)巨大なオブジェが浮かぶ時。
広い紗幕に人類史の年代が映され、風変りな芝居は始まる。人類の歴史を谷賢一はこう捉えたのか、と思う。そこに「必然」があったが「未来」はどうか。希望はあるのか。そもそも希望とは何に対するそれであるのか・・。扱うテーマは壮大だが舞台は当然ながら「抄訳人類史」である。不思議な感覚を伴う舞台であったが咀嚼しきれていない。後半は人類のある分岐点がピックアップされその時代のドラマが展開する。舞台作りの端々に試みの跡があり、私としては「人類史」の本質に迫る試みとするならば再演を重ねバージョンを変えて行く事により命を得ていくのではないか、と感じる。
(詳細後日)