1:望月太左衛社中 剣伎衆かむゐ&剣伎道。演ずるは、和楽器が彩る剣伎・侍魂「未来へ~Samurai still exist」自分もそれなりに和楽器は拝聴してきたつもりであったが、今日初めて聴く音も多く、最初に用いられたのは空気をまさしく切り裂くような音を発する笏拍子で、これには度肝を抜かれると共に、かむゐリーダーの島口哲朗さんが上手ホリゾントの奥から舞台中央へ隙の無い登場を見せるシーンは慄然とするほどの気を内に秘め、正しく武人を見た思いがした。
武士の妻や娘のたしなみである長刀の剣舞と殺陣も披露されるが、長刀の柄の先には赤い房紐が付けられ女性の剣技を実に華麗なものにしているのもオシャレ、更に数歳からミドルティーンに至る多数の女子剣士、男子剣士を交えた群舞も見事である。流石に国際的な舞台で賞も受賞しているだけの実力者グループ、新型コロナで練習・稽古の時間も中々取れず、皆で集まることも殆どできなかったということが信じられない見事な剣技・舞台だ。感心したのは、メンバー全員が、謙虚で爽やかな集団であることだ。無論、様々な和楽器など(和太鼓、鼓、雨団扇、和鈴、二胡、横笛、尺八など)の演奏でアクションを盛り上げて下さった望月太左衛社中とのコラボも素晴らしい。華5つ☆ Ⅱ:こかげ舎による演劇公演「いまはむかし(虫愛づる姫とノア博士)」出演は、ノア博士に小林拓生さん、虫愛づる姫に佐々木和子さん、ちょっと変わった楽器・GANKなどでの演奏に中馬美穂さん。GANKは、耳慣れない楽器だと思うが見た目は、ちょっとへんてこりんなUFOとか、炊飯ジャーのような形の楽器でプロパンガスボンベの材質を用いて作られ、その上部のあちこちに逆Uの字型などの溝が彫られていて、その溝の幅や長さなどによって異なる音が出る。奏法は木琴のように叩いたり、こすったり色々だ。何れにせよ、中々不思議で魅力的な音が出、形もユーモラスなので一度調べてみると面白かろう。脚本は、姫を演じる佐々木さんが書いた。一応、環境破壊を重ねた人間の愚かさが招いた近未来を舞台にしたディストピア作品ということが出来よう。理性的に考えれば、人間が今のように愚かな生き方を続けてゆけば誰が考えても地球に未来は無い。このことは余りに明白である。因みに地球上で起こっている波や風は地球に注がれる全太陽エネルギーの僅か0.2%の影響だ。一応述べておくと日本政府がF1人災後もベース電源として強力に推し進める原発は、100万KW級1基で1秒に70トンの水の水温を7℃上げる。70トンの水量とは多摩川と荒川2本の川の流量/secを合わせた程の膨大な量である。温められた水の中に溶け込んでいたCO2も当然蒸散する。馬鹿な話ではないか。言っておくがこれはほんの一例に過ぎない。誰も問題にしないが何の役にも立たない煙草もCO2を輩出している。税を高くすれば良いという問題ではあるまい。 物語に戻ろう。今作では主に温暖化によって極の氷が溶けだし水位が高くなるのみならず、高温化によって降雨量が全地球規模で極端に増加した結果、生物の大量絶滅が起きる世界に突入する前夜譚として話が進行するのだが、興味深いのは、AIの発達によって人々は、大量データの処理をAIに任せっきりにしていた為、真に優秀で発想にユニークさや飛躍力のある知恵を評価し得なかった頃のデータが基礎データとしてインプットされていなかったが故に姫のような本質的で独特な発想のできる有能な研究者はリストラ対象となりラボを追われていた点である。ノア博士も解任の憂き目に遭った。こんな事情からノア博士はかつてのラボで自分の下に居た最も優秀な研究者である姫の所へサジェスションと別れの挨拶をしにやって来たのである。博士はラボを馘首されたから、単なるノアに戻っており、ノアは、地球上の虫以外の総ての生命を護る為の箱舟を作り、姫には虫の為の箱舟を作って欲しいとの依頼に訪れたという訳で洒落の掛かった落ちになっている。劇中、歌で表現するシーンがあって佐々木さんのソプラノと小林さんのテノールがバランス良く、良い具合に響き合いこれも楽しめる場面となっている。5つ☆ Ⅲ:宇佐美雅司さんのソロ作品。作・演・出演総て1人でこなした。タイトルは「Listen to the He:art~愛でてエな~Need is Love」七夕の夕べ、織姫・彦星年1度の逢瀬の日、パンデミック・COVID-19の前に人類などと恰も連帯が生まれてでも居るかのような紛らわしい表現も馬鹿らしいが、殆ど世界中の為政者が、非科学的、非現場主義的、非合理的、非理性的判断によって舵取りを誤り、自らフェイクを撒き散らすTのようなウスノロ、パシリでミムメモのA、裏切りだけは一流のKらと、不作為によって殺人者となりながら、不作為故に罪を追求されない厚労省、文科省の高級官僚、経産省とその天下り先法人等々のトンネル組織。こんな連中とグルの政治屋、マスゴミ。こういった下種に媚びへつらい己の頭を用いて考えることのできない「臣民」くたばっちまえ! と小生は思うのだが、舞台人である宇佐美氏は、何とかこのめちゃくちゃを皆に欝発散の機会を共有してもらうことで発散してもらおうとでもしているようだ。自分と現実認識は可成り異なろうが、この意気を評価して4つ☆。
早速のコメント有難うございます。
喜んで頂けたようでうれしく存じます。
動きの激しい舞台、御怪我なさらぬよう
お気をつけて、皆さまにもよろしく
お伝えください。
ハンダラ 拝