第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020 公演情報 シアターX(カイ)「第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★



     7日目の構成は、参考上映のTV番組、IDTF実行委員10名による“いきもの絵巻『宝船』”上演、アートカンファレンスだ。

    ネタバレBOX

     今回のテーマは以前にも記した通り、堤中納言物語に記された “『蟲愛ずる姫』とBIOhistory”だから当然生命の始原から現代人へ至る進化と様々な微生物、ウィルスなどとの共存・共生に至るまでの史的過程及び遺伝子構造の変化・変遷、プラスになるにせよマイナスになるにせよウィルスと生命相互の関係性・諸変化が、COVID-19蔓延拡大の地球村に於いて如何なる作用を我々に齎し、未だ不明な部分の多いSARS-Cov2に対して我らは如何様に対処するのか? 或は自然免疫を得る迄多くの犠牲を耐え忍んで待つのか? ということを含めて当にmemento mori(メメントモリ/死を思え)、即ち実存哲学に自ら進んで入る条件の中に居る。人間というのは愚かな生き物であるから、普段自分自身の死を前提として考えることは殆ど無い。結果猶更愚かなことばかりしている。ここは、一つ学校で教えられたような規格に嵌った阿保な考え方や教条はうっちゃって、自由に考える訓練をしたいものである。但し、それには条件がある。死を前提に考えるのは、真理や普遍性を知る為であり、自死する為ではない。よって論理の前提に選ぶべき要素はファクト、現場での徹底的、実証的観察を統合する科学的・合理的思考だ。即ちファクトと実証的観察によって得たデータのみを用いて演繹・帰納法し合理的な解を導き出すことである。東京アラートなどという字義通りナンセンスなことをやっている暇は無い。SARS-Cov2はRNAしか持たず、誤った転写を起こしやすい。而も様々な抗生物質や薬品が彼らの突然変異をより早めるというデータが出ている。既にゲノムレベルでは、埼玉型、東京型、大阪型は異なっているという。無責任なばかりか己の言っていることの意味することすら理解できない安倍首相は、ワクチンはかなり早く出来る、などと訳の分からないことを宣うが、さに非ず。それどころか、仮にワクチンがかなり早く出来上がったとしてもサイトカインストームの危険がある為、下手をするとワクチンを打ったが為に症状が悪化してしまうケースが在り得るとして研究者たちは如何に対処すべきかを必死に考え追及しているのだ。エーザイが治験を始めるようだが。政府のやっていること、殆どの自治体のやっていることはトロ過ぎて話にならないし、官僚共は不作為といういつもの手で責任逃れをするばかり、当てにできる訳が無い。だから、我々民間で考え、対処する他ないのである。そういえば、東京でアラート解除後107名の感染者が出た、と聞いて驚いている人々が多数居ることに、矢張りと感じると同時に自分は少しショックを受けた。余りにも予測通りだったからである。
     さて出演者の職業は、コンダクター、生物学者、エッセイスト・通訳・翻訳家、著述・フォトアーティスト、演出家、役者、芸術監督、ダンサー等々多彩だ。参考上映として芥川賞作家でベルリン在住の多和田 葉子さんにインタビューした番組が映された。『宝船』上演後は、多和田さんがインタビュー番組の質問に答えて言った、「コロナ・テスト」というフレーズをタイトルとしたアートカンファレンス。この現象をどう捉えるか? との視座で出演者、観客との間で活発な論議が交わされた。大切なことは、このカンファレンスでも、事実をベースに語る生物学者と、それ以外の様々な言辞や為政者が何の合理性も科学的根拠もなく垂れ流している言辞をベースにした判断とが交錯することによって、今我々の暮らす社会が良く見えてきたことである。

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    2020/07/03 18:19

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