安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI 公演情報 燐光群「安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    タイとの共同制作というと「赤鬼」が浮かぶ。国際共同制作という点では、野田の場合は、自分の作品を、世界各地で上演してみる、燐光群の場合は、地域先行で東南アジアの各地と、混合型というか、できるところから共同で作ってみる。今回は本もタイで俳優も来ている。共同制作だからただ役割分担しただけでなく、現場の交流も重ねてのことである。
    タイは日本に親しい国の一つであるが、もちろん国情は大いに違う。お互いの理解も距離があるのはこの二つの「共同制作」を見てもよくわかる。
    今回の本は、日本の靖国問題がタイではどのように見られているか、というケーススタディになっていて、勉強にはなるが、演劇的に見て面白いかというとかなり苦しい。観客の中に政治的な意識の側面が抜きがたくあって、それがコロナ騒ぎの中で靖国問題を取り上げた芝居を見るという営為とバッティングする。芝居が靖国から広がっていかないのだ。
    現実のタイとの関係で言えば、外国人労働者の問題がある。身近な小さな会社でもタイの人を迎え入れて、たぶんお互いに初めての国際経験をしている。こちらは人間的に具体的で面白い。そういう素材は中津留に任せて、と言わないで、現実的な話題から入った方が実り多いのではないかと思う。85分。

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    2020/03/26 11:19

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