マクベス 公演情報 DULL-COLORED POP「マクベス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    軽快な音楽に乗ったテンポの良い現代の「マクベス」でした。原作の妙にもったいぶったところも大胆にカットしてあってかなり私好みです。およそ90%まで進んで、自分たちの実力は十分に見せつけることができたというところで、お遊びタイムに移って終了です。マクベス夫人の死の知らせがこないと思っていたらそういうことだったんですね。「福島三部作」では抑え気味だったおふざけと政治メッセージを少しだけ発散してみたということでしょう。「たまにはこんなこともさせてよ(テヘペロ)」という調子に感じました。

    マクベス夫人の淺場万矢さん、ルックスも色香も演技も痺れました。通常の冷血なマクベス夫人だとちょっと違うかなと言う気がしないでもないですが、このマクベスにはピッタリです。バスタブのシーンは彼女を見て急遽付け加えたのではないでしょうか。あるいはこのシーンをやりたくて女優さんを探しまくったのかも。

    私が前から感じていた「妙にもったいぶったところ」はマルコフがマクダフを試すために自分は駄目な奴だとグズグズ言うところと、すぐ次の場面でマクダフの妻子が殺されたことを使者がなかなか言わないところです。

    逆に、普通はカットするマクダフ夫人と息子との会話をしっかりやっていました。もっとも息子は手袋人形でしたが。ここだけのために子役を一人使うのは無駄なのでカットするのですが軽妙な作りだとこういう風にできるよというデモンストレーションになっていました。でも双子の赤ん坊を付け加えていたのはどうしてなんでしょう。3人に増やしてもノーコストってことかな?

    一番ハッとしたのは最初のキャバクラのシーンです。もしかすると、原作でも魔女というのはメタファーで、実際はマクベスとバンクォーが戦いの帰りに町はずれの飲み屋兼売春宿に寄ってクスリを飲んでの乱交パーティーで見た幻覚のことを言っているのではないかと夢想しました。KAATでなく「スズナリ」なんかだとそういう展開にしたのかも。

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    2019/12/19 19:07

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