満足度★★★★★
本当にうまく出来ているなあと唸ってしまった。構成、演出、演技すべてがピタッとはまっている。ただ、お話は全くよくわかるのだが、私自身は都会のマンションの片隅で一人静かに死にたいという思いを強くした。在宅医療よりネット医療が良いし、ロボット看護・介護も早くお願いしたい。
場面転換ではマイケル・ジャクソンかボブ・フォッシーかというようなstop&go的な切れの良い動きが披露される(かなり盛ってます)。オープニングではいくつかのパターンを連続して行うが、それは立派なダンスパフォーマンスになっている。こういう無機的な動きが人間の生死という真逆なものとうまく調和して全体の雰囲気を作っている。クラウンが帽子を下から投げて上で受け止めるのは "Steam Heat"にあるやつで帽子の回転も飛距離も十分で見事に決まっていた。ボブ・フォッシーと書いたのはこれで思い出したのだった。
以下独り言:30乃至50歳代で癌に冒された方は本当に大変だ。癌になったら儲かるくらいの支援があっても良いと思う。一方で70歳以上の方は自然な成り行きなのだから治療などせずに緩和ケアに徹するべきだ。むしろ癌になったことを感謝するくらいの気概を持とう。そして最期はNHKでやっていたオランダでの安楽死のように「皆さん、さようなら」でクスリを入れた点滴の栓を自分で開けて穏やかに消えて行きたいものだ。