死に顔ピース 公演情報 ワンツーワークス「死に顔ピース」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/10/26 (土) 18:30

    座席1階

    爆笑あり、拍手あり、すすり泣きあり。こんなふうに人生を締めくくったらいいだろうな、と大いに共感する。作演出の古城十忍さんが「この演目が一番再演希望が多いんですよ」と言っていたが、十年越しの再再演という人気の秘密は、この舞台を見れば分かる。2時間余りの上演時間を長いと感じさせない、観客の心をつかんで離さない舞台だ。

    それは、キャストや観客のもれなく一人一人が、遅かれ早かれ自分の死というものに直面することになるからだ。いつもは意識の外に放り出していた自分の死をどう迎えたいのか、という問題に引き込まれる。そのヒントの一つとしてこの舞台はある。

    今日は、この舞台の主人公の医師のモデルとなっている山口県周防大島町の在宅診療医師、岡原仁志さんがアフタートークで登場した。岡原さんは舞台で描かれる奇抜な在宅診療を「ほぼ実話です」と話していた。
    物語はこうだ。末期の進行がんの女性が積極的な治療を拒んで自宅に帰る。かつては患者を一日でも長く延命させることが医療の勝利だと言っていた優秀な外科医が、大学病院での地位を失ったことをきっかけに在宅医に転進。この女性患者を笑わせ、少しでも楽しい家族との最期にしてもらおうと奇抜な往診を繰り返す。

    住み慣れた自宅で家族に囲まれて死にたいと思っても、病院死がほとんどである現在、なかなか思い通りにはならない。在宅医療を支える医師たち、家族の理解、そして命の主人公である自分の明確な意思表示。この舞台は、いろいろなことを教えてくれる。そして、客席にリピーターが多いという現実は、見るたびに新しいことに気づきを与えてくれる舞台だということだろう。

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    2019/10/27 09:09

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