満足度★★★★
2、3年前アトリエ春風舎で上演された舞台には鋭く光る才能の片鱗を見たが、後半息切れ気味で完結し切れなかったという印象からすると、直後の芸劇からのオファーには少々驚いた。喜ばしいというよりむしろ藤田貴大の二の舞に(と、私は酷評してしまうが)ならないかと不安がよぎった。背伸びして、抽象に走り、何か価値あるものを観た「ような気にさせる」お茶濁しのテクニックだけを育てる事にならないか、という不安。
主宰の山田由梨は本人が美女である事を差引けば(敢えて言及するレベル)、未だ海とも山とも知れない御仁との認識であったので、今回の観劇はエイヤと思い切りが必要であったが、見届けるべしと足を運んだ。芸劇の後押しは当てにならないと思いつつも期待を寄せて。
不穏な前置きはここまで。感想は袋綴じにて。