スリーウインターズ 公演情報 文学座「スリーウインターズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    クロアチアのオーストリア−ハンガリー帝国時代の人間も含め、100年の歴史の移り変わりを、1945年戦後と1990年のユーゴスラビア分裂の始まりと、2011年のEU加盟の三つの日付の出来事で描く。日時は行ったり来たりする中で、大きな家族の運命が大団円を描く。その影に、皺よせを受けて弾かれた者の悔しさがあることも忘れさせない。出色の舞台であった。

    なんといっても、登場人物の存在感が確固としてある。文学座の俳優の層の厚さと安定感が改めてみにしみた。次女役の増岡裕子が、最初は壁家族から浮いた脇役かと思っていると、最後に、彼女がこの家の大黒柱になっていたことが明らかになる。この大化けが良かった。
    寺田路恵の没落貴婦人、倉野章子の老け役二人のベテラン女優が良かった。

    上川路啓志が語る、敗軍の兵士の悲哀、愛馬との別れの場面も非常に印象深い。深くしみるいい声、いいセリフ術であった。石田圭祐も、いつものことながら、時代に取り残された不器用な男を怪演していた。

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    2019/09/14 17:16

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