さなぎの教室 公演情報 オフィスコットーネ「さなぎの教室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    大竹野正典の本歌取りだが、本歌とはかなり違う。むしろ、松本哲也の新作と言っていい舞台であった。本歌からは、犯罪ファクトを使っているという程度だ。
    大竹の作品は、看護婦たちの日常の生活の切実な飢餓感が連帯意識を生んで犯罪に至るところがユニークでよく出来ていたのだが、こちらは主犯の看護婦の強く、現代的なリーダーシップに看護婦たちが支配されていくところが主眼になっている。ここでは看護婦たちの生活や精神の貧しさからくる連帯は道具立てに過ぎない。松本哲也が演じる主犯格の看護婦は圧倒的な力感があって、このまとめ方を納得させるが、それでは大竹野とは全く別の作品だ。そこを切り離すと、話も設定もつまらない。
    急遽こうなった理由は俳優降板が背景にあるようだが、これでは、急遽登板ご苦労さまと言う以上に出ない。開いてしまったのは仕方がない。このまとめ方で、稽古をし直せば、また新しい作品になるであろうが、すっぱり忘れていい新作を期待している。
    ただ、独特の地方弁(松本の出身地、宮崎の言葉)を俳優たちがこなして、舞台での言葉の重要性を認識させてくれたのは意外な収穫だった。

    0

    2019/09/06 23:40

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大