期待度♪♪♪♪
音楽モノには惹かれる。serial一発目は私には落胆、というより唖然とした類だったが、視点は面白い作家である(演出は好きでないが)。面白がりに二発目を覗いてみることにする。
件の作は世間的に高評価だったらしいが、本当にあれが平均的感覚なら原発イシューに関しては日本人はまことに愚かな民である。恐らく一部の感覚だろうと思いたいが先日こんな話を聞いた。日本人は一神教の神のような不可知で扱い切れない荒ぶる神に馴染みがなく、自分の扱い切れない深刻な代物を、深刻なものとして受け止める素地がない。だから手なづけやすい卑近な次元に落として取り込む。たとえば経済的イシューに還元して語るというように。なるほどな話であった(涙)。・・件の作の半分を占めた「日本に原発を誘致する男たちの活躍」のストーリーは、原子力が持つ深刻さに比して何とチープなストーリーであった事か。歴史の過ちにコミットするのは必ず、後世の者である。だが人間は必ず誤る存在である、という前提がない日本では、後世の者が自分の父祖を裁くことが禁じられている(戦争責任然り)。過ちから学ぶ、という人類的営みは、日本は恐らく海外にお任せしているんである。海外の人間の失敗を経た成果を輸入して、漁夫の利を得る。自らは進歩しない。否、失敗しない限りでの成功を奉り、失敗は認めない。なるほど失われた30年の淵源が見えてくるではないか。時々詩森ろばのテキストは安っぽい経済学者の声に聞こえることがあるが、通じるものがあるかも。(かように屈折した観たい!思いも、人間の一面也)