「ボードゲームと種の起源・拡張版」 公演情報 The end of company ジエン社「「ボードゲームと種の起源・拡張版」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    3331での試作版?に出演した役者(沈)を、ちょうど前日観た芝居で見て、一癖二癖あるあの役を誰がどうやるんだろう、なんて事をふと思ったが、拡張版は全く別の話であった(重なる役、エピソードは当然あるが)。拡張版よりは「完全版」、の語を当てたくなった。
    登場人物も増え、「群像」が立ち上がった。ゲームが盛り上がりつい喜声を発する場面がある。それとは対照的な静かな場面が殆どだが。俳優に当て書きしたような風貌に応じたリアルなキャラが、説明の少ない台詞の背後を観客に読ませる。
    試作版と「別物」と思わせた最大の特徴の一つは、ドラマ中のゲームの意味合いが増し、またゲームはルールが確立して(開演前から5人が楽しんでいる)本気でやっているのが分かる事。急迫の事態から逃れてきた者が「こんな時に」「だからこそ」との枕詞で語るゲームとは決して「価値ある重要なこと」の対極ではない・・人物らを少しばかり輝かせるラストの風景はその主張を実証するように形象され、一つの現代解釈を提示していた。
    舞台はアゴラを横に使い、A3程だろうか白い板が折り重なるように壁一面に貼り付き、下手に高い段を作っている。出入りは従って正面奥(奥行きを感じさせる狭い隙間=エレベに通ず)、上手壁のドア、そして客席下手死角にある奈落の三つ。正面に当るバルコニーも効果的に使える。これは自由度が高く大変うまくした使い方だった。

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    2019/06/02 07:59

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