満足度★★★★
鑑賞日2019/05/22 (水) 19:00
価格2,800円
ブロローグが平成の東京なのでちょっとビックリするが、本編はプロローグの人物の少年時代の物語で舞台も九州なので「あ、やっぱり」……(笑)
そうして語られるのは「理詰めの悲劇」あるいは「真綿で首を絞めるような悲劇」。
物語というものはだいたいクライマックスありきでそこに向けて進んでゆくものだが、下手な作り方だとそのクライマックスに向けて「話を進めるためにエピソードを積み重ねてゆく」のが見え見えで、「これ、何だろう」と思った部分がクライマックスへの布石だったりするものだが、桟敷童子の場合は軋轢・歪みなどが自然に積み重なってゆき、そも結果として悲劇が起こる、的な。(よって「VS嵐」のローリングコインタワーの如く、いつか崩れることは目に見えているがそれがいつなのか予測できない、みたいな?)
お馴染みのダイナミックな仕掛けからの美しいラストシーンでその悲劇性が少し緩和される気がするが、考えてみると実はとても切なく「取り返しがつかない」感が強調されるのも上手い。