満足度★★★★
広い新国立での少年王者舘。ペーターゲスナー氏が評したアングラ精神の現代の正統な継承者(系譜は違えども)がこの小屋を自ら選ぶ事はないだろう。一年前速報を見て驚いたと同時に不安も実はかすめたが、果たして、クオリティ落ちのない舞台成果であった。天野天街的演劇はどれを取ってもリズムや世界観が同じで、思うに天野天街の芸術、というものが内部で進化しており、その進化過程を眺めるという事になっているのだろうと思う。従って変わらない部分は何も変わらず、しかしその中で奇想天外な発想が新たに加わる事で更新されている。「1001」は私の知る少年王者舘の集大成であり、部分的には腰を抜かし、腹筋を揺らした。幸福な時間を過ごせた。
新国立劇場で予め席を予約して観劇したのは初めて。初めてと言えば今回は新国立によるプロデュース公演でなく少年王者舘公演であり、(恐らく天野氏が出した条件だと思われるが)異例の事だ。