満足度★★★
【Bチーム】
ストーリーには何ら特別なものはない。登場する人物もそんなに特別な人々ではない。したがって感情を共有するのも容易である。しかしそんな自分の想定内を確認してどうするというのだろう。というのがこの種の演劇を観たときに共通して感じることである。
もっとも、本作の場合は演出面を評価するものなのかもしれない。
・草太の走り
・4人の女性の群舞
・傷痍軍人の嘆き
などがあってイメージに訴えかけてくるところは興味深かった。ただし「傷痍軍人」は観客の何人が知っているだろうか。私は子供の頃に観光地で見たことがあるが父は偽物だと怒っていた。他のものに置き換えるべきだが訴訟の問題(*)があったりして改変は難しいだろうとは思う。
鈴木大輝さんはモデルでもあってルックスは抜群である。その方がしっかりした演技をしているのだから小劇場に出ていることが不思議であった。対する重松隆志さんは渋いルックスと確かな存在感で若い者には負けないぞという意地を感じた。
*「それからの夏 訴訟」でググると、舞台よりも面白い戦いがある。