満足度★★★
【Bチーム】
ストーリーには何ら特別なものはない。登場する人物もそんなに特別な人々ではない。したがって感情を共有するのも容易である。しかしそんな自分の想定内を確認してどうするというのだろう。というのがこの種の演劇を観たときに共通して感じることである。
もっとも、本作の場合は演出面を評価するものなのかもしれない。
・草太の走り
・4人の女性の群舞
・傷痍軍人の嘆き
などがあってイメージに訴えかけてくるところは興味深かった。ただし「傷痍軍人」は観客の何人が知っているだろうか。私は子供の頃に観光地で見たことがあるが父は偽物だと怒っていた。他のものに置き換えるべきだが訴訟の問題(*)があったりして改変は難しいだろうとは思う。
鈴木大輝さんはモデルでもあってルックスは抜群である。その方がしっかりした演技をしているのだから小劇場に出ていることが不思議であった。対する重松隆志さんは渋いルックスと確かな存在感で若い者には負けないぞという意地を感じた。
*「それからの夏 訴訟」でググると、舞台よりも面白い戦いがある。
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/03 (金) 15:00
流コウキさんが松田幸起(本名)名義で出演する主演第一作目のCチームを観劇しました。
主演の幸起さんはとにかく走る!
何なら開演前から走ってる!!
けど一度も息が切れることなく、アフタートークも座長として盛り上げ、流石だな、と。
4人の女性との生と死を見つめる内容は少し難しくて重い所もあったけど、1:20の長さは気持ちが途切れることなく、感情移入しやすかった
満足度★★★★
主演の草太が必死に走ることによって人生の厳しさを生き抜く姿が共感出来ました。草太を取り巻く周囲の人間の生き様がとっても悲しく、こちらの胸が痛みます、特に知恵遅れの妹が小さくして亡くなったのがすごく残念でした。
1時間20分でとっても凝縮されたお芝居で観られて良かったです。
3チーム編成ということでなので他のチームも見たいと思いました。
満足度★★★★
情感ある台詞に溢れた脚本がスンバラシイ!
個人的に今まで拝見してきた“STRAYDOG”さんの作品で、コメディーな笑いを一切ぶっこまなかった演出作品は初めて。
新鮮であり、本作においては伝わりやすかったと思います。
両サイド客席に挟まれた舞台からは、汗や草木の匂い、時には死者を弔う煙の匂いが香り立ち吹き抜けていくよう。
報われなくともひたすら走りまくる主人公。
その身体を通り過ぎる風もがこちらに伝わってくるようでした。
美しくて残酷、その中から強い生命力を感じる物語。
痛みこそが生きている証でもあるような切なさに胸を締め付けられました。