満足度★★★★★
普段なら観ないタイプの舞台です。
小難しいものでも、心理的な泥沼的なものはまあ観るとしても、
政治の匂いがするものを感じさせるものは避ける傾向です。
しかし、意外にも食いつくように観てしまいました。
“差別”というものをどう考えるのか?この青年の意思を変えることは出来るのか?
犯人の理不尽な主張、その両親の自責の念と我が子への恐れ、
人権派の弁護士の苦悩、被害者家族の悲しみ、障害者と共に生きる者の言葉。
足りないのはその被害に遭った障害者の言葉ではないかと。
もしも、入れるとしたら彼らの"生きたい"を感じさせる言葉、もしくは意思表示
そういうものが必要だったのではないかと思う。それが相当な衝撃を与え、
観る側にある種の説得力を与えるのではないかと思いました。
演出・演技共に上質な作品でした。