満足度★★★★
鑑賞日2019/04/06 (土) 14:00
座席1階
人情あふれるブレヒト劇。さまざまな劇団が演じてきた名作で、やっぱり最後の判決に向かうあたりに注目と期待が集まる。
裁判の争点になる子どもを人形に演じさせるのは多数派だろうが、劇団風は人形を多用した。他のレパートリーでも人形をうまく使った作品は多く、人形の使い方はこなれている。でも、今回人形に演じさせた領主などの役を俳優がやった方がよかったような気もする。
裁判官が呑んだくれのアツダクだと宣告され休憩前の前半が終わる。ミュージカル仕立てでテンポはいいのだが、後半の裁判場面を考えるとちょっと長い気も。さらに、育ての親が貧困と苦難の中で育てる場面や、婚約者(だったと思うが)の兵士が生きて帰り、自分の妻が小さな子どもを抱いているのを見てショックを受ける場面はちょっとあっさりしていた。
歌や踊りを交え、全体を通して楽しく見られるのがいい。ふたつの階段を舞台両脇に配し、上下空間も含めて3次元的に役者を駆け回らさせた演出は、客席との距離もきわめて近く、迫力があった。