満足度★★★★★
鑑賞日2019/02/08 (金) 19:00
座席1階5列5番
価格4,000円
こんにゃく座さんの解説に「厳しい自然環境に抗う手立ての少なかった昔の遠野の人々にとって物語は生き抜くための手段だったのでは」とあります。喜ばしいことがあっても誰か1人の手柄にせず神様の福とし、悲しいことや葬って忘れ去りたい事も妖怪の仕業としたり。
それらの物語がフルート・チェロ・打楽器・ピアノが紡ぐメロディと役者の歌声に乗って、観ている私の手を引いて遠野へと連れて行くようでした。
そして、「ここには無いもの全てがある」と信じ遠野を出て上京した佐々木喜善の目まぐるしい人生は現代の私たちに「あなたにとって本当に大切な事は何?」と問いかけてきます。
柳田國男そして遠野物語についてほぼ知識が無い状態での鑑賞でした。休憩時間を挟んでの2時間50分の上演時間、美しく、悲しく、暖かく、冷たい、深く濃い時間を過ごしました。
是非是非、多くの方に体験していただきたい作品です。