満足度★★★★
鑑賞日2019/01/18 (金) 19:30
座席1階E列10番
「陰獣」に「化人幻戯」を織り込むことで、双方の女主人公を重ね合わせ、何とも不思議な味わいを醸し出している。せっかくだから、「陰獣」の探偵役も、明智小五郎に置き換えて、2つの世界を通底させるような工夫もありかな、と思ったけれど、「陰獣」の探偵役は、作家だからこその謎解きなので、それは無理というものか。
サヘル・ローズさんは、相変わらずの美貌。それも、その目鼻立ちのはっきりした顔造形がゆえに、眼での芝居がはっきりと観客に伝わってきて、時々、ぞっとするような悍ましさを感じさせるのは見事。眼球がひっくり返るような、眼の動きは乱歩世界の幻影を具現化するようだ。
井村さんの舞台監督も素晴らしい。大江春泥の架空性を面白く引き出している。
鴇巣直樹の存在感と相まって、幻想趣味をうまく作り出している。