満足度★★★★
鑑賞日2019/01/16 (水) 13:30
座席1階
静岡に出張し、日本初演、フランスからの凱旋公演を見た。中高生の演劇鑑賞会と同席したため、宮城聡芸術総監督自らの丁寧な前説があった。
アフリカ奴隷貿易に加担した原罪と向き合う舞台。先祖がその原罪に口を閉ざし、新たに生まれる人に入る魂たちが、輪廻を拒否する。その死生観というか、魂への考え方が日本人とそっくりなところに驚く。
宮城氏がク・ナウカで取り組み始めた二人一役の演出が堪能できる。言葉と身体の動きが引き裂かれているところに、なぜこんな面倒なことをと思うが、舞台が進行していくうちに違和感がなくなっていくのが不思議。そのゆったりとした動きが話者にくっついていく。神との対話を描く舞台で、その演出はとてもしっくりくる感じだ。
東京では味わえない舞台を堪能。来た甲斐があった。