風街 公演情報 北九州芸術劇場「風街」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    生命(いのち)のきらめきが溢れる舞台
    当然と言えば当然なのだが、話にも演出にも桟敷童子の印象が強い。
    ただ、「まったく同じか?」と問われれば、もちろん同じではない(桟敷童子で同じものをやったのなら、もっと重くなったような気がする)。その違いが今回の舞台の味となったと思う。

    幕開けから、一気にその世界に引き込まれ、スピーディな演出で物語にのめり込んだ。
    そしてけなげさや一生懸命さに涙した。

    いろいろなエピソードが実にうまい具合に重なり合い、物語に厚みを増していた。
    そして、すべての出演者が素晴らしく、終演後は、全員に大きな拍手を送ったのだ。

    誠実で丁寧、一生懸命さの溢れるいい舞台だった。

    ネタバレBOX

    街には、苦しい生活や公害の中でも、精一杯生きている人たちがいる。
    それを療養所から見る、命の灯火が消えようとしている少女。
    彼女の手から鏡の光が、街に「生きる人々」にキラキラと降り注ぐ。
    彼女の「命」の輝きと、街の人の「命」の輝きが交差する美しいシーンだ。
    彼女の想いは、確かに届いた。

    街の人たちそれぞれには、親しい隣人との別れなどの中にも、新しい(自分との)出会い(目覚め)がある。そして、煤煙が降り注ぐ公害の街が良くなる予感(まだ実害が現れる前の時点で)もある。
    それらは、未来への一歩を踏み出す生命の力強さを感じさせる。

    そんなポジティヴなラストは、素直に気持ちが良かった。

    さらに特筆すべきは、子ども役の人たちだ。ずるいな、と思うほど、見事だった。

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    2009/03/07 04:06

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