満足度★★★★★
予想外に落涙。
「悪」を「悪」と認識しない様々な形を目の当たりした凡人の私はどうしたらよいのだろうか。目の前で大騒ぎしている人相の悪い男たちが悪いヤツだけど、かといって嫌いか?と問われると即答できない。
今作、拳銃の密造をしている町工場の兄・宗谷佳朗(小野ゆたかさん)と弟・宗谷陽彰(井内勇希さん)の物語がものすごく濃密で、心震えた。
そして、自分としては念願だった渡辺芳博さん出演。もう、思い残すことは無い。
テイストは異なるが、ふと、パラドックス定数で落涙した感覚と昔、タイタニックを見て、船上の楽団の方々の最後の場面を見てその生きざまに涙したのを思いだした。
例えばただ「かっこいい」というのではなくそこに含んだ狂気の視線や、諦めの背中だったり、見えない慈しみの気持ちだったり。