王女メディア ~私は世界を拒絶する~ 公演情報 劇団ING進行形「王女メディア ~私は世界を拒絶する~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    古典劇からの思わぬ派生
    この団体の古典劇を見るのは初めて。
    少し軽い感じで始まったと思ったが、そこに様式美を持ち込み、そこから立ち上る独特の感情が激全体を包んでいた。
    苦手な人は苦手なのかな。
    今回の脚本よくよく考えると面白い構造になっていて、様式的な外面だけでなくじつは、すごく精神的、人間心理の深い所に潜ろうとしているのでは。

    まだ固い所なども多々あるが、独特の緊張感がある。

    ネタバレBOX

    引退した大女優の身に、王女メディアと同じ境遇にあってしまう。
    マスコミ、報道のメディア関係者がコロスの役割になっている。
    第三者の彼らまで、女優の手によって、どんどんギリシャ悲劇メディアの世界に引きずり込まれ、悲しい最後を遂げる。


    過去に演じた王女メディアに浸っている、女優を馬鹿にしていた夫は。
    女優により、メディアの世界へ引きずり込まれる。夫は女優にあわせて、イアソンのセリフを口にしていたのだが、最後にはイアソンと同化してしまい、演じていることなど忘れてしまっている。
    逆に女優は、その俳優の名前を口にし、物語の世界を客観的にみている。
    女優はメディアの世界から飛び出した。
    劇中劇をやってる人物が反転。虚構が現実になってしまったのだ。

    最後に人物たちが、争いながら塔のようなものを作り、女優がその頂点に立って劇は終わる。

    人間の繰り返される争いなどの醜い歴史。その頂点に立つメディアは神なのか。

    彼女の罪は許されたのか、神に罪はないのか。男と女の心理。現実と虚構。
    いろんなものがつまっているが、うまくギリシャ悲劇メディアから派生させていると思う。




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    2009/02/28 03:02

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