ロミオとジュリエット=断罪 公演情報 クリム=カルム「ロミオとジュリエット=断罪」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    恋愛の代表的な演劇…シェイクスピア「ロミオとジュリエット」はあまりに有名。多くの劇団、劇場で上演され、映画化もされており多くの人が物語の内容を知っている。そんな劇を独特な潤色・演出することは難しいかもしれないが、それでも観点を変え観(魅)せようと試みている。どの公演でもそうだと思うが、本公演でも原作に独自の新解釈を行い演出・表現をしようとしており、逆にそうすることによってどのような多様性にも耐えられるシェイクスピア劇の奥深さを感じさせてくれた。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台を挟んだ客席。セットは中央舞台に客席に向かって横4列、縦(奥)3列の電球が上半身に当たる高さまで吊るされている。舞台の周り(客席との間も含め)を赤い厚布地が敷かれており、そのスペースでも役者は演技する。セットはシンプルであるが、内容は「イタリア・ヴェローナの対立する名家の若い男・女が熱き恋に落ちる悲しい物語」として有名であり、素舞台に近い状態であっても、その情景をイメージすることは出来る。本公演は観客のイマジネーションに負うところが大きいと言えよう。

    物語は原作を下敷きに、それでもロミオを巡り、親友同士のジュリエットとロザラインが三角関係になる。ロミオは当初ロザラインに恋したが、ロザラインには恋人がいたためロミオは失恋した。その後ロミオがジュリエットと恋仲になり、ロザラインはロミオの本当の人柄を知るに至り恋焦がれるようになる。ロザラインの前恋人がロミオの友人という混線するような人間関係を作り出す。また司祭が女性であることも特別の意味合いを持たせている。

    純愛というよりは嫉妬に狂った男と女の愛憎劇。もちろん結末も変えているが、それでも両家の争いに終止符を打つことになり、この公演(脚本・潤色)の巧みさをうかがい知ることができる。

    全体的に抒情性が感じられる観せ方、具体的にはライトの点滅による陰影が幻想的な視覚効果を生み、印象付けするところは上手い。一方、演技は役者がその人物像なりに十分成りきれていないのが残念であった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/03/24 11:58

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