ロミオとジュリエット=断罪 公演情報 クリム=カルム「ロミオとジュリエット=断罪」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     板を客席がサンドイッチするような舞台。

    ネタバレBOX

    中央は3m四方ほどのリノリウムの床が露出している。周囲は1m巾程度の赤いカーペットで囲まれている。このカーペットは客席側にも延び客席も囲んでいるので、役者達は、このカーペット上も演技空間である。劇場入り口からみて、奥右手には、柱脇に目隠しの板が張られ袖の役割を果たしているが、その横に平台を2つ重ね20㎝程高くして上部に赤カーペットを敷いたステージがある。
     リノリウムの床から1.2mほどの高さには、観客席に対して平行に、4つの裸電球が都合3列吊るされている。
     通常演じられるロミオとジュリエットとの大きな差は、ロミ・ジュリ2人の純愛物語ではなく、ロミオを巡り、親友同士のジュリエットとロザラインが三角関係に陥っていること。更にロザラインのそれまでの恋人は、ロミオの親友であることなどだ。
     また、司祭が女性であることも事件後、新たな街づくりの中心になることを大公から望まれる辺りの伏線として設定されている点、非常に面白い。
     更にジュリエットがロミオと恋に落ちる前の彼女の振る舞いが、まるで1960年代のズべ公のような点が実に興味深いのだ。ズべ公などという言葉は今では死語であろう。然し乍ら、ズべ公と付き合ったこともないような連中が彼女らを軽蔑する理由は、イエローキャブだと思っているからだろう。だが彼女たちは結構純粋で、マブと付き合っている時は、操立てしていて純であった。
     今作でのジュリエットはロミオが初恋の相手であるから、ズべ公のように見えるのは、その振る舞いと言葉からだが、結構新鮮である。
     若いグループなので、未だ、脚本を役者が身体化することに未熟な点はあるが、脚本は実に面白く拝見した。今後は、科白をどう役者の身体に落とし込んで、観客に受け渡すかという点にも更に磨きをかけてほしい。

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    2018/03/23 01:03

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